ヨガの小話〜嵐の海、澄んだ海〜
『ヨガとは、心の動きを静かに収め、ケアすることです。』(ヨーガスートラより)
そう、
ヨガの本来の目的はダイエットでもなく、
便秘解消でもなく、
肩凝り解消でもない。
オシャレなエクササイズでもない。
変化しやすい心と身体の波を鎮めて『本当の自分』を知る事が目的。
しかしながら、『本当の自分』は自分の中の深〜い深〜い所にある。
ほら、大事なものをケースに入れて鍵をかけたりカバーをかけたり隠したりするでしょ?
心や身体を訓練して深く集中しないとなかなか『本当の自分』にはお目にかかれない。
鍵がかかっているかもしれないし、カバーが何重にもかかっているかもしれないからね。
…
海の底に宝物があるとする。
スキューバダイビングで潜って探してゲットしたい。
でも海は嵐で大荒れ。
何も見えないのはもちろん、強い流れに飲まれないように必死に泳がなければならず、宝どころではなくなる。
水が濁って何も見えないから、とにかくいつも不安で落ち着かない。
流れてきた海藻が蛇に見えてパニックになるかもしれない。
宝に向けるべきエネルギーがあっちこっちに分散して、何が何だか分からなくなる。
本来の目標も見失う…
…でも澄んだ穏やかな海ならどうだろか?
海の底までスッキリ見えて、すーっと宝物の所まで泳いでいける。
これ、心の中も同じ。
心を静かに澄ませることができれば、『本当の自分』を見つけ出す事ができる。
これがヨガの目標。
だから、ヨガを行うこと自体は目標ではなく、あくまで目標達成のためのテクニック。
心は未来に行ったり過去にいったり、とにかく忙しい。
旅行に来ているのに休み明けの仕事の事を心配していたり、
料理をしているのに昨日あった嫌な事を思い出していたり。
何か一つの事をしていても、心はお留守の状態になっている時は案外多い。
『本当の事』を知らない無知から心がざわついて、騒がしくなっている状態が先ほどの嵐の海。
水の濁り・激しい流れ・その他波に乗って次々やってくる流木や海藻なんかに手を焼いている状態。
私たちは毎日巻き起こる色んな考えやざわつきに気を取られて『本当の自分』を見失っている状態だという。
その状態から錯覚や混乱、苦悩、怒りなんかが発生してくる。
何千年も前にヨギー達はこれに太刀打ちするテクニックを自身の経験を体系化させて作りあげた。
何千年も前に作りあげられたものが廃れるどころか、どんどん広がりを見せているのを見れば、単なる体操ではないことが分かるはず。
本物は時代が変わっても消えないのだ!
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