ヨガの小話〜バターのように生きよ〜
世間は水
心は牛乳
水に混ざって自分の心を見失わないよいに
『バターのように生きよ』
という教えがある。
なんともスーっと心に入ってくる、例え方。
※こちら、私が溺愛する精製バター。その名は、ギー。
風味も最高。用途も効能もありすぎるスーパー油脂。
さて、話を本題に戻して…
水の中に牛乳を入れれば水と混ざってしまい、そこから純粋な牛乳を探すのは困難になる。
しかしながら、牛乳を固めてバターにしたらどうだろう。
水に落としても、水に混ざることなく浮いている。
このバターのようになりなさい、とインドの3大聖人の1人であるラーマクリシュナは教えている。
言い換えれば、和して同せずといったところだろうか。
最も頼れる、信じるべき存在は世間ではなく、自分であるということ。
親でもなく、教師でもなく、友人でもなく、グーグル先生でもなく、
自分。
日々周りからの刺激にさらされながら生きる私たちは、外側にばかり目が向いてしまい、
肝心の『自分の本心』をないがしろにしているケースが多い。
メディアや周囲の噂や根拠の無い情報に飛びついては飽きて、また次の刺激に飛びつく…といった行動を繰り返す。
そうしているうちに、
人生こんなはずじゃなかった。
自分が良く分からず、何をどうしていいか分からない。
とかいう混乱した結果を招く。
とにかく頭の中のおしゃべりが止まらない。
いつもザワザワ。
何かの拍子で思い出した過去の事を悔やんでみたり
かと思えば起きてもいない未来の事を案じてみたり。
とにかく思考や心は物凄いスピードで飛び回り続けている。
水の入った洗濯機に牛乳を入れて高速で回してるようなもんです。
(余談だか、この世で最も速いのは音でも光でもなく、思考であると言われている。)
心のざわつく時、なんとなく違和感を感じるときは、良くない方向に向いてしまっているサイン。
私も、心に引っかかりを感じたまま周囲に流されて大後悔したことが何度かある。
だから、本当に大事な事を決めるときは、自分で考えて自分によく聞いてみてほしい。
そうやって出した結論なら、必ず満足行く結果になる。
また水と牛乳の話に戻るが、
水で薄まってしまった牛乳の私は手遅れだわ…と肩を落としたアナタ、諦めるのは早い。
救済措置を天才インド人が数千年前に作り上げてくれている。
水に混じった牛乳を取り出してバターをこしらえるシステムが瞑想。
瞑想を完成させるための練習がヨガ。
宗教色が強いように捉えられがちだが、実はとっても科学的で合理的なシステムなのだ。
余談だが、私がインド哲学に興味を持つきっかけになったきっかけが、
ラーマ・クリシュナというインドのヨギについて書いた本。
インドでは3大聖人の1人として、3歳の子どもですら知っている人物らしいが、日本ではあんまり知られていない。
ちなみにインドの3大聖人とは
①ゴータマブッダ
(説明不要。お釈迦様)
②シャンカラ
(ヴェーダーンタ哲学を大成した、とてつもなくすごい人。)
③ラーマクリシュナ
(いわゆる、悟りを開いた聖人。アメリカにヨガを紹介した、ヴィヴェーカーナンダの師匠。)
学者が語るような専門用語を多用した小難しい話ではなく、
誰にでも分かるような簡単な例えを巧みに使う人。
こういう人こそ、本物の『智識』を持った人なんだと感嘆した。
ということで、バターを目指しましょう。
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